よくあるご質問

【進物の基礎知識】

「中のし」と「外のし」はどのように違いますか?

記念品、開店のお知らせ、選挙の陣中見舞いなど、お名前を広める、広く渡す場合は外のしにし、控え目にしたい、パーソナルに渡す場合は中のしが一般的です。
なお、地域によって異なり、群馬は持ち帰りの多くは外のしです。いただいたものを床の間に飾る風習があり外のしにすることが多いです。

お返しの金額の目安を教えて下さい。

地域やおつきあいの度合いにもより異なりますが、一般的な目安としては
慶事のお返し:いただいた金額の半額程度が一般的です。
弔事のお返し:3分の1から半額程度のものを返すのが一般的です。
一般贈答のお返し: 目上の方へのお返し どんな場合でもいただいた額より多く返すのは失礼にあたります。
目下の方へのお返し いただいた金額と同程度のものを返すといわれていましたが、現在は半額程度が一般的です。
病気見舞いのお返し:3分の1から半額程度のものを返すのが一般的です。

なお、風水害や火事などでお見舞いをいただいた場合や、企業や団体から慶弔の贈りものをいただいた場合などはお返しを必要としないとされていますが、礼状をさし上げるなど、適切な方法で感謝の気持ちを表現するのがよいでしょう。

進物の品数で気をつけた方がよい点はありますか?

数に関する縁起では、吉の数は三、五、七の他に八が末広がりとして喜ばれます。凶の数は四、九で、「死苦」に通じる数として嫌われます。外国では十三が凶数です。
ただし、ビールのようにダース単位で贈られるものや、コップや夫婦茶碗などペアものは偶数でも慶事に用います。
弔事は「箱が重なると不幸が重なる」という意味を避けるため1点にする方が望ましいといえます。

お中元の由来と贈る時期は?

中国では、1月15日を「上元」、7月15日を「中元」、10月15日を「下元」といい、これらを三元と称して先祖に供え物をし、身の汚れを清めました。これが日本に伝わり、中元だけがお盆と重なり、一族の者が祖先への供物を持ち寄った風習と一緒になりました。これにより、中元贈答の習慣ができたといわれています。

贈る時期は地方によって異なります。首都圏では、お中元を7月上旬から7月15日までに贈るのが一般的です。7月15日を過ぎたら「暑中お伺い」「暑中御見舞」とし、立秋(8月8日か9日)を過ぎたら「残暑お伺い」「残暑御見舞」として贈ります。
首都圏以外は7月上旬から8月15日頃(旧盆は毎年変動)が中元の期間ですが、8月15日を過ぎたら「残暑お伺い」「残暑御見舞」として贈ります。

お歳暮の由来と贈る時期は?

日頃お世話になっている方へ1年の感謝の気持ちを贈るものです。古くは、年の変わり目に先祖の霊を迎えて祭る「御魂祭」(みたままつり)の名残で、年越しの供え物でした。
もともとは12月13日のお正月の準備を始める「事始め」から贈るのがならわしで、京都では今でも「事始め」から贈る方もいます。
現在は、12月上旬から25日ごろまでが適当とされますが、最近では11月下旬から贈る方も増えています。
年を越した場合は「お年賀」、または「寒中御見舞」として贈ります。

「十三参り(詣り)」とは、どのような行事でしょうか?

主に、京都、大阪の一部で行われる行事です。昔の成人式の名残で、男女とも数えで十三歳になったのを記念して、旧暦の3月13日、現在では4月13日に行います。十三歳を祝って知恵と慈悲の虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)にお参りをして、知恵を授けていただく風習で「知恵もらい」ともいわれます。
子どもの四つ身仕立ての着物から、本裁ちの長いたもとの着物に替えます。近親者から肉親だけのお祝いにし、特に贈り物やお返しの必要はありません。

「おため」「おうつり」とは何ですか?

関西地方ではお祝いのときに頂いたお祝い金の一割を返礼としてお渡しすることを「おため」「おうつり」といい、そのお返しの際に同封する半紙のことを「おため紙」「移利紙(わたりがみ)」といいます。「溜め紙」「御為」「お多芽」(京都)とも書きます。
昔は丁稚さんが贈りものを持ってご主人様のお供をしたので、丁稚さんにお駄賃を渡しました。
ここから半紙などのおため紙とともに一割のお金をお返しするようになりました。そのため、この一割のお金には交通費的な意味合いもあります。
関東地方では、御祝をいただいた返礼に懐紙を使用します。婚礼時のものに限っては、半紙二張を入れることから「夫婦紙」「和合紙(わごうし)」「抱き合わせ紙」ともいいます。

病気見舞いのお返しをしたいのですが、
まだ完全に治りきっていない場合はどうしたらよいでしょうか。

紅白5本結びきり「御見舞御礼」で贈ります。
なお、病気やけがの回復具合によって表書きを使い分けることもあります。
・快気内祝:退院(床上げ)後、少し落ち着いたころ。(通院・検診有)
・全快内祝:医者(病院)の手を離れたころ。
・本復内祝:全快後、元通りの生活に戻ったころ。
※和歌山では朱書きで快気内祝、全快内祝と書きます。

ちょっとした気持ちで贈り物をしたいのですが、「志」と「寸志」は違うのですか?

「志」の表書きは、ちょっとした気持ちという意味もありますが、弔事のお返しで使われるのが一般的です。よって、ちょっとした気持ちという意味で使う場合は「粗品」や「御礼」または包装のみでカードを添えるのも良いでしょう。
なお、「粗品」は目上・目下どちらの方にも使えますが、「寸志」は目上の方から目下の方にさしあげる場合に使用しますので注意が必要です。

【婚礼関係の知識】

なぜ「引出物」というのですか?由来は?

平安時代、招待したお客様におみやげとして馬を贈る習慣があり、馬は庭に「引き出して」から贈られました。そこから、大切な人への贈りものを「引出物」と呼ぶようになったと言われています。

婚礼関係では、なぜ水引が10本なのですか?

水引は5本(3本・7本もあります)まとめたものを1本としますが、結納、結婚の時は夫婦水引(めおとみずひき)といい夫婦は2人で1組という意味合いから10本にして使います。
(奉書を用いる場合も、「ご両家が合わさる」という意味合いから二枚重ねにします。)

結婚のお祝いは当日にお渡ししていいのでしょうか?

現在は結婚式当日に現金を持参するのが一般的ですが、現金でも品物でも挙式の1週間くらい前までに自宅に届けるのが本来のマナーです。

結婚のお祝いで贈ってはいけないものはありますか?

以前は、はさみ、包丁、ナイフや壊れ物は「縁を切る」ということでタブーといわれましたが、割れる食器は「幸せが増える」、包丁やナイフは「幸せを切り開く」という解釈があり、世界では広く使われる贈答品です。贈る相手が喜んでくれるものなら神経質にならなくても良いでしょう。

結婚のお祝いを現金を包むときの注意点はありますか?

現金を包むときは必ず新札を使用します。金額は披露宴のお料理に相当する額が目安ですが、
新郎新婦との関係により異なります。目上の人や親族は高めになることが多いようです。
一般的に割り切れる偶数は縁起が悪く、1・3・5・7といった奇数が好まれます。
しかし、8は末広がりのおめでたい数字とされますので失礼にはあたりません。
ただし4・9については「死」「苦」に通じるといわれて今でも避けられています。
市販されている祝儀袋にもランクがあるので、金額にあった金封袋を使用しましょう。

結婚祝いと出産祝いをあわせていただきました。お返しはどうしたらいいでしょうか?

本来は、結び切り(結婚内祝)と蝶結び(出産内祝)と意味が異なりますので、お返しは1つにまとめずに別々にするものです。まとめて贈る場合は、結婚内祝いもしくは出産内祝いのどちらかの掛け紙を掛け、メッセージカードを添えて両方のお返しを兼ねていることを伝えます。表書きを「出産之内祝」としてお子様の名前を伝えることが多いようです。

結婚式と葬儀が重なった場合はどうすればよいですか?

葬儀や告別式は故人との最後の別れとなるため、慶事より弔事を優先します。身内で慶事と不幸が重なった場合は、慶事は喪が明けるまで延期するのが一般的です。

【弔事関係の知識】

弔事の水引、黒白・黄白の違いは何ですか?
黒白・黄白を使い分けることもあるのでしょうか?

黒白・黄白ともに弔事の掛紙に用いますが、主に東日本では黒白、西日本で黄白が用いられます。
※名古屋では一周忌は黒白を使い、一周忌を過ぎると悲しみが薄れることから、一部黄白を使用することが多くなります。黒白・黄白の使い分けは地域によってしきたりが違います。
※京都では宮中で使われる紅(くれない)の水引が濃い緑色をしており、黒白の水引と区別がつきにくいため弔事には黄色の水引を使うようになりました。

先方が喪中の場合、お中元やお歳暮を贈ってもいいのでしょうか?

例年挨拶をしている先方が喪中であっても贈っても差し支えありませんが、生ぐさものは避けます。慰めのメッセージなどを同封するなどの心配りが必要です。
四十九日までは差し控え、忌明け後に贈ったほうがよいでしょう。忌明けがお中元・お歳暮の時期から遅れた場合、「暑中お伺い」「残暑お伺い」「寒中御見舞」として贈るとよいでしょう。
※お中元・お歳暮の水引は紅白のため、先様に対する配慮から、水引のない短冊にお中元・お歳暮と表書きをして贈る場合もあります。

自分が喪中の場合、お中元やお歳暮を贈ってもいいのでしょうか?

季節のご挨拶・謝礼の意味合いが強いので、忌明け後は自宅が喪中であっても、例年挨拶をしているお宅へは贈ってもさしつかえありません。気になる場合は、表書きを「お中元」「お歳暮」とせず、「粗品」としてお届けしたほうがよいでしょう。
※京都、名古屋、堺、山陰地方では、忌明け前に贈る場合、水引なし、のし無しの杉紙を使用します。

香典とともにお花やお供物をもらった場合のお返しはどのようにしたらよいですか?

花輪やお供物とともに香典をいただいた場合は、両方を含めた額を考慮し、その3分の1から半額程度の返礼をするのがよいでしょう。

仏事のお返しで会社や組合・町内会などへのお返しはどのようにしたらよいですか?

会社・組合などにお返しは不要です。町内会は必要ありませんが、集会場などがあれば、お茶やコーヒーなどをお返しします。ただし、取引先からの場合は、会社からの弔慰金の場合はお返しは不要ですが、個人からの弔慰金の場合はお返しをするのが一般的です。