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Vol.11 モールの想像力-ショッピングモールはユートピアだ 2023年3月4日(土) - 8月27日()

ショッピングモールとは、都市であり、宇宙である。
そして、想像力の源泉である。

百貨店展に続く今回のモール展では、ショッピングモールの文化的意義を考察してみたいと思います。これまで文化批評の文脈で、モールは社会を均質化し、古くからある商店街を虐げる存在として批判の対象となってきたことが多いように思います。しかし、私たちは、今日においてモールはむしろカルチャーを育む土壌であり、文化的象徴でさえあるのではないかと考えています。それは即ち、現代の都市における最も重要な公共圏であり、私たちの日々の生活の不可分な一部であることを意味します。

モールという箱に入れば、そこはまるで一つの都市のように、ストリートに沿ってアパレルショップや雑貨店、フードコート、映画館、広場などが展開され、吹き抜けからそれらを一望すると、人々の日常の最大公約数がここに凝縮されていることが再確認できます。こうした空間であることが、多くのアーティストたちの想像力を刺激するのも無理はありません。

本展は「ショッピングモールはユートピアだ」という仮説をもとに、「街」、「内と外の反転」、「ユートピア」、「バックヤード」といったいくつかのテーマを切り口に、モールという消費空間が私たちのイマジネーションにどのように働きかけ、どのような文化的価値を創造してきたのかを読み解いてみようとする試みです。展示室には、膨大なテキストと共に、映画、音楽、コミック、小説、ゲームなど、モールを舞台としたさまざまなジャンルの作品が、あたかも巻物がひもとかれたかのように出現します。本展サブタイトルに掲げたように、モールこそが私たちの夢見たユートピアであったのかどうか、ぜひみなさまの目で確かめていただきたいと思います。また本展が、ショッピングモールの一考察として、モールの新たな側面に光をあてることができる契機となれたなら幸いです。

企画展

モールの想像力-ショッピングモールはユートピアだ 2023年3月4日(土) - 8月27日()

セミナー

『モールの想像力展』を、大山顕さんと観てみよう! 解説者: 大山顕(本展監修/フォトグラファー・ライター)

大山顕さんが、2時間かけてたっぷり展示を解説します。
「説明してくれないと誰も気づかないよ!」と思わず突っ込みたくなるような仕掛けのタネ明かしも、、
そして、休館日の撮影中、突然お客さんが来たり、、、
ぜひ、大山さんの楽しいトークで「モールの想像力」展をお楽しみください!